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いきなりの大技「天日干し」


ギターは直射日光にあててはならない、屋外での使用も避けるべき、というのが常識だが、この常識を打ち破る荒業「天日干し」を紹介しよう。

(方法)

まず、ギターをしっかり掃除する。汚れを落とすだけでなく乾拭きもしておこう。もちろん弦は外しておく。

次にレモンオイルをたっぷり塗ってやる。サイド、バックも忘れずに、指板にもしっかり塗る

そして、それを直射日光にさらして天日干しする

トップに約1時間、裏向けてバックに約40分、状況によっては3時間くらい干してもよい。

この後、風通しのよい日陰で1〜2時間落ち着かせる

乾拭きして余分なレモンオイルを拭き取っておく。(ほとんどしみこんでいるはず。)

さらに、ここが大切!その後2、3日は弦を張らずに静かにおいて置く

(注意点)

単板のものはあまり長く干さないほうがよい。逆に合板のものは少々長く干してもかまわない。

真夏の午後など、日差しがあまりに強いときは避けたほうが無難。朝から午前中にかけての柔らかな日差しを選ぼう

急激な温度・湿度変化を避ける。ギターにとっては当たり前のことだが、干した後、急にエアコンの効いた部屋に入れるなど極端なことをすると単板の場合は割れることがある。

指板については、白い布で覆っておいたほうがよい場合がある。手入れのよくない古いギターの場合、指板が動いてフレットの浮きが起こることがある。レモンオイルをしっかり塗っておこう。

干した後は、慌てて弦を張ったり、無用な力を掛けないようにすること。接着剤が柔らかくなっているのでブリッジの浮き、ブレイシングの剥がれの恐れがある。

(効果)

よく鳴るようになる。特にジャパンビンテージに効果が著しい。ボリューム、響きが格段によくなる

スプルーストップの色が濃くなる。スプルースは紫外線で赤くなるのでトップが焼けていい雰囲気になる。

白濁が薄くなる。ラッカー塗装の場合、湿気が入ると白濁するが、天日干しにより湿気が抜ける事がある。

臭いが取れる。かび臭さ、たばこ臭さが取れる。ただし、ニカワを使ったギターはニカワ臭くなることがある。

塗装がゆるくなっていた場合は、塗装が硬く落ち着く

(経験上の話)

私は古いギターを手に入れたとき、必ず天日干ししている。古いギターの場合、木は相当にシーズニングされていることになる。木はいじめられると安定するようになるので、少々のことでは狂いはでない。しかし、長く手入れされずに放置されていると木の表面は埃、ヤニなどとともに湿気がまとわりついている。天日干しすると、表面の湿気が取れるような気がする。

66年のギブソンLG-1もマーチン000−1もK.ヤイリYW500Pもみんな干してやった。特にLG-1はボディがしっかり響くようになった。(ニカワ臭くなったが)

ヤマハのグリーンラベルFG-350は手に入れたとき、ケースが腐りかけたような状態だったので、その中のギター自体も全体に重く塗装もフニャっとしていた。サイドには白濁もあった。音もボンと響くのかどうか分からない頼りない音だった。それをアルコール掃除(別で紹介)と天日干しを行ったところ、塗装はシャキっとし乾拭きしてやると落ち着いたツヤが出た。白濁も三分の1くらいに減ってずいぶん薄くなった。音は乾いた良く響く爆音になった。これほどの効果が出るとは驚くほどだった。なお、天日干しは1週間ほど時間をおいて3回ほど行った。

(結論)

70年代の日本製ギターはオークションなどでも手に入れやすい。これらジャパンビンテージ、特に合板使用のものについては、天日干しはかなり効果がある

このころのギターは、よい材料、丁寧な作り、十分なシーズニングが期待できることから、「あたり」といわれるギターはたとえ低価格のものでも爆音というくらいよく鳴る。そして、天日干しをすると、多くのギターが「あたり」になるのである。

確かに、ひとつ間違えば、割れやゆがみの原因になる行為ではある。しかし、ちゃんと管理し、観察しながら行う天日干しは決して危険な行為ではない、と、個人的には思っている。

とはいえ、試すときは個人の責任において試してほしい。そもそも、効果にしたって私個人の主観によるもので、なんの根拠もないのだから。私が自ら実践していることではあるけどね。


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